キーワードは、溶融痕とブレーカーの遮断電流になる。
ブレーカーは過電流が流れると電磁力により落ちて、
瞬時に落ちる電流は、遮断電流になり、20Aのブレーカーの場合は、20倍の400Aが遮断電流になる。3倍の60Aが継続して流れた場合は、数分程度だろうか、メーカーにより異なる。これは、ブレーカーにモーターを繋いだ場合は、モーターの定格電流が20Aとすると、始動電流は3倍の60Aとされ、それが10秒ほど続くので感度が良すぎて落ちると使い物にならないわけである(下図の右側を参照)。
右図は、ヒューズになるが、同様に定格電流が長時間流れても、ヒューズが作動しない設計となっている。下図にブレーカーの作動特性の一例を示した
なお、それではモーター(電動機)に過負荷がかかっても、ブレーカーが落ちないことになり、最終的にはモーターは高温となり巻線が焼けて動かなくなる。それでは困るので、工場の配電盤内には、ブレーカーだけでなく、サーマルリレー付きのマグネットリレーが利用されている。
この場合、例えば、21Aとか25Aの電流が流れ続けると、サーマルリレーが落ちることにより、モーターを守るようになっている。この場合、サーマルリレーの温度が常温に戻ると手動復帰出来るが、過負荷の原因を取り除かない限り、運転しても再びサーマルリレーが作動してモーターが停止することになる。
延長コードは細銅線を多数束ねて使っている。
その結果、延長コードを用いて長時間大電流が流れると、
この時点ではブレーカーは作動せず、電流は流れたままであるが、
また、今回の場合、延長コードがどのようなものか不明だが、コードリールと呼ばれるドラムに巻き付けるタイプであれば、巻き付けた状態でプラグをコンセントに差し込んだままであれば、ほどいた状態よりも放熱性が悪いために発熱しやすいと言える。
想像だが、大きな火災となってから、火災報知器が作動し、
では、何をしていれば、
1. ライトアップの照明と聞いているが、
2. 延長コードを使うのであれば、
①巻いたまま使わない。②
3. 漏電対策機能が付いたブレーカーの使用
後だしじゃんけんのようで恐縮であるが、文化財であるからこそ、
本項の作成にあたり、以下の文献を参考にしました。この場を借りてお礼申し上げます
1. 名古屋市消防研究室:「電気による出火メカニズム」 近代消防 2014年12月 85-88p
2. 電気設備の知識と技術HP:「配線用遮断器と漏電遮断器の概要」https://electric-facilities.jp/denki4/breaker.html